はりきりプラザ たけはら竹夢楽団 涼しげな音色響く


たけはら竹夢楽団のみなさん
 「安芸の小京都」と呼ばれる竹原市の町並み保存地区に耳慣れた音楽が流れる。「涙そうそう」「コンドルは飛んでいく」「大きな古時計」-。ただし、普通と違うのは、楽器が竹でできていること。その独特の涼しげな音色が響き合い、辺りはどことなく東洋的な雰囲気に包まれる。
 たけはら竹夢楽団の発足は2004年。「身近な竹を使ってまちづくりを行いながら、地域の自然をもう一度見直したい」と竹原市小梨町の佐渡泰さん(43)が中心となって活動を始めた。楽器作りや演奏の方法は竹音楽家の第一人者の柴田旺山氏に指導を仰いだ。
 「最初の楽器は、竹を削って音程を合わせるのに苦労し、完成まで数ヶ月もかかった」と佐渡さんは振り返る。
 現在のメンバーは小学生から60歳代までの15人。竹楽器には、木琴のような「竹マリンバ」竹の筒の穴をたたいて音を出す「クロンプット」(高音・低音)、枠につり下げた竹の筒を揺らしてカラカラという音を出す「アンクルン」、そして、「篠笛」の4種類がある。
メンバー15人 自然を見直し 夢はオーケストラと競演

息の合った演奏をするメンバー
 クロンプットの低音パートを担当する三原市須波西町の中島桂子さん(45)「竹の楽器のやさしい音色に自分自身まで癒されています」と笑い、同じパートを担当する竹原市新庄町の国兼千代美さん(52)は「みんなをリードする大事なパートなのでもっと上手になりたい」と意気込む。
 「病身の時に竹夢楽団の演奏を聞き、涙が出るほど感動した」と入団のきっかけを話すのは同市田ノ浦の神田千恵子さん(62)竹原市中央の近末佳甫さん(13)と竹マリンバを担当し、息の合った音を奏でる。神田さんは「若い人と一緒に演奏するのが楽しい」と笑顔。
 佐渡さんの娘の仁美さん(12)は大好きな「もののけ姫」のアレンジを柴田旺山氏にリクエストした。この曲は途中からピッチが早まり、畳みかけるようにしてクライマックスにつながる印象的な曲で、今や楽団の十八番だ。
 年齢も様々なユニークな集団を優しい指導でまとめるのは同市本町の元高校音楽教員、枝長実盛さん(66)。枝長さんは「将来は、オーケストラと競演したい。名前の通り、夢を実現できるように頑張らないといけませんね」と微笑んだ。
(読売新聞ひろしま県民情報 2006.7.19)